東京九段下にある製薬会社であるMSDさんを訪問しました。
駅直通のビルのオフィスで迎えてくださったのは、総務部門の弦巻志保さん。
弦巻さんは社会福祉士であり企業在籍型職場適応援助者でもあり、本来の総務のお仕事以外にも今回私が伺った障害のある方の雇用にも直接関わっています。
当日は会社の説明を人事部門人事グループの齋藤浩太さんからお聞きしました。
この会社が大切にしているのが「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(多様性、公平性、包括性)」です。多様な背景や価値観を持つ人たちでチーム作りをしている会社でした。
なるほど、障害者雇用を積極的に進めていらっしゃるのだなと感じました。社内ではパラスポーツであるボッチャなども行っているとのことです。
この会社では20名の障害者の方が雇用され、会社の休憩フロアにあるキッチンを使用し、カフェサービスや、清掃や、事務サポートなどに従事しています。
弦巻さんに案内され、2019年より始まったカフェを見せていただきました。
ちょうど3時過ぎでしたので、社員の方々がみなさん三々五々マイカップを持ってコーヒーを入れてもらいに来ていました。
障害のある方々がエプロンと帽子の制服を着て、カウンターでお一人お一人に丁寧にコーヒーを渡していました。
ここのコーヒーは無料です!そして紅茶もいろいろな種類がありますが30円という安さ。お菓子もお取り寄せでいろいろな種類のものを入れているそうです。
ハンドドリップ用のお豆は平均8キロ(毎日)。IHさえあれば10分で20杯分のドリップができるそうで、カフェメンバー9人がペアを組んで仕事にあたっていました。
障害のある方が働きやすいようにと、仕事は1時間に10分の休憩が組み込まれ、また、20人分の10分刻みの担当表がありその緻密さにびっくりしました。
そして仕事も障害のある方がやりやすいようにと、細かく「切り出し」を行っていました。
店頭の係、アイスコーヒーを入れる係やホットコーヒー担当やシンクで洗い場、シールの補充、清掃、など役割は細かく切り出されていました。
そしてそれをローテーションで回していき、どの仕事もできるようにしているそうです。
特例子会社という、障害のある方だけを集めて働いている職場もありますが、ここMSDでは社内のカフェで仕事をするというみんなの顔が見え、
顔を合わせることができる職場はまさに私の理念である「性別・年齢・障害の有無、国籍にかかわらずみんなが参画できる」にぴったりの場所で感激しました。
誰もが安心して活躍する職場を作っていきたいですと、弦巻さんは目を輝かせて話していらっしゃいました。